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野川佐知・第一プレミア証券投資コンシェルジュ=来週のニューヨーク金先物相場は、投資家の金投資への関心の高まりを背景に、堅調な展開を予想している。20日に付けた直近高値の1オンス=2014.90ドルを突破すれば、次は2050ドルの節目を試す流れもありそうだ。下げても1980ドル程度にとどまるのではないかとみている。 直近の上昇は外為相場の影響が大きい。ヨーロッパの物価上昇率は米国よりも高止まりしており、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)よりもヨーロッパ中央銀行(ECB)の金融引き締めが長引くとの観測が、ユーロ高・ドル安を誘っている。この結果、ドルと逆相関を示すことが多い金相場が上昇しているという構図だ。 米地銀破綻を発端とした、金融システムの動揺はひとまず落ち着きを取り戻したが、警戒感は根強い。地政学リスクの高い状態も続いており、投資家が不安感から金を買う動きに変わりはないだろう。金融不安の後退する中でも金が下値を切り上げているあたりに、地合いの強さを感じる。 来週の注目材料は一連の米雇用関連指標、特に賃金の動向だ。これらの指標が弱めに出るとFRBの利上げ打ち止め観測が強まり、金相場には追い風となるだろう。 |