家庭用品は、装飾性、耐食性などをもたせる目的からめっきされた製品であふれています。
浴室やトイレなどの水洗い金具には、ニッケル
・クロムめっきが利用されます。
ニッケルは光沢めっきとして美観を与え、クロムめっきと協力して耐食性にすぐれ、湿気、凝縮水が生じる環境にも対応できます。
これをトースターやツマミなど乾燥した室内の製品に利用する場合は、水回り製品よりめっき厚さを薄くできます。ニッケル・クロムめっきは使用環境に応じて厚さを選択します。
ただ近年、ニッケルアレルギーが問題化してきました。 そこで、代わりに銅-スズの2元合金などの
ニッケルフリーめっきも採用されつつあります。
金めっきは、照明器具、時計、袋物金具などに利用されています。
電気めっきでは、24Kから14Kまで、幅広い合金比率の金めっきが利用されています。
添加する金属の種類により、白、緑、ピンクなど多様な色調を比較的容易に付与することができます。
独特の色調をもつ銀めっきは、金とならび装飾品全般に活用されます。
食器や装身具への光沢銀めっきもその一つです。
洋食器への銀めっきにより水分中の微生物や細菌が殺菌され衛生上好ましいなど、銀めっきには目に見えない利点もあるといわれます。
近年では、家庭用品に付与されるめっきの機能も多様化の兆しがあります。
たとえば、熱伝導性の悪いステンレス製の鍋の底に、熱伝導性のよい銅めっきを施すと、加熱時の有効面温度分布の均一化が可能です。
また、2008年1月には神戸製鋼所が、独自開発の抗菌めっき技術をつめ切りなどの日用品に初めて採用した、と発表しています。
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